欢迎关注拉米公众号:lami_la
当前位置: 美文 > 故事 > かちかち山

かちかち山

( 咔嚓咔嚓山 )
作者:芥川龍之介 阅读:280 喜欢:0 语言:日语

童話時代のうす明りの中に、一人の老人と一頭のうさぎとは、舌切雀したきりすずめのかすかな羽音を聞きながら、しづかに老人の妻の死をなげいてゐる。とほくにものうい響を立ててゐるのは、鬼ヶ島へかよふ夢の海の、永久にくづれる事のない波であらう。

老人の妻の屍骸しがいを埋めた土の上には、花のない桜の木が、ほそい青銅の枝を、こまかく空にのばしてゐる。その木の上の空には、あけ方の半透明な光がただよつて、吐息といきほどの風さへない。

やがて、兎は老人をいたわりながら、前足をあげて、海辺につないである二艘にさうの舟を指さした。舟の一つは白く、一つは墨をなすつたやうに黒い。

老人は、涙にぬれた顔をあげて、うなづいた。

童話時代のうす明りの中に、一人の老人と一頭の兎とは、花のない桜の木の下に、互に互をなぐさめながら、力なく別れをつげた。老人は、うづくまつたまま泣いてゐる。兎は何度も後をふりむきながら、舟の方へ歩いてゆく。その空には、舌切雀のかすかな羽音がして、あけ方の半透明な光も、何時か少しづつひろがつて来た。

黒い舟の上には、さつきから、一頭のたぬきが、ぢつと波の音を聞いてゐる。これは龍宮の燈火ともしびの油をぬすむつもりであらうか。或は又、水の中に住む赤魚あかめの恋をねたんででもゐるのであらうか。

兎は、狸の傍に近づいた。さうして、彼等はおもむろに遠い昔の話をし始めた。彼等が、火の燃える山と砂の流れる河との間にゐて、おごそかにけものいのちをまもつてゐた「むかしむかし」の話である。

童話時代のうす明りの中に、一頭の兎と一頭の狸とは、それぞれ白い舟と黒い舟とに乗つて、静に夢の海へいで出た。永久にくづれる事のない波は、善悪の舟をめぐつて、ものうい子守唄をうたつてゐる。

花のない桜の木の下にゐた老人は、この時やうやく頭をあげて、海の上へ眼をやつた。

くもりながら、白く光つてゐる海の上には、二頭の獣が、最後の争ひをつづけてゐる。おもむろに沈んで行く黒い舟には、狸が乗つてゐるのではなからうか。さうして、その近くに浮いてゐる、白い舟には、兎が乗つてゐるのではなからうか。

老人は、涙にぬれた眼をかがやかせて、海の上の兎をたすけるやうに、高く両の手をさしあげた。

見よ。それと共に、花のない桜の木には、貝殻かひがらのやうな花がさいた。あけ方の半透明な光にあふれた空にも、青ざめたきんいろの日輪が、さし昇つた。

童話時代の明け方に、――獣性の獣性を亡ぼす争ひに、歓喜する人間を象徴しようとするのであらう、日輪は、さうして、その下にさく象嵌ざうがんのやうな桜の花は。

最新评论共有0条评论

    我也来评分

    作者简介

    芥川龙之介(芥川竜之介、あくたがわ りゅうのすけ、Ryunosuke,1892~1927),日本小说家。号“澄江堂主人”,笔名“我鬼”。本姓新原,幼年即过继于其舅父,改姓芥川。芥川龙之介在他短暂的一生中,写了超过150篇小说。他的极短篇小说篇幅很短,取材新颖,情节新奇甚至诡异。作品关注社会丑恶现象,但很少直接评论,而仅以冷峻的文字和简洁有力的语言来陈述,让读者深深感觉到其丑恶性,这使得他的小说即具有高度的艺术性又成为当时社会的缩影,其代表作品如《罗生门》和《竹林中》、《蜘蛛之丝》等已然成为经典之作。

    支持平台:iPhone,iPad,Android

    用移动设备扫码阅读